公開日:2026/06/26
更新日:2026/08/26
東京の大学病院で働く看護師の働き方とは?クリニックとの違いを徹底比較
※プロモーションを含みます
東京の大学病院とクリニックで働く看護師の違いを知りたい
夜勤や残業が少ない職場へ転職したい
給料や休日だけでなく、仕事内容やキャリアまで比較して決めたい
「大学病院で働き続けるか、クリニックへ転職するか迷っている」
「クリニックなら夜勤がなくて、今より楽に働ける?」
「大学病院を辞めると、看護師としてのキャリアに不利になる?」
東京都には、大学病院から地域のクリニックまで多くの医療機関があります。
そのため、看護師が転職するときも勤務先の選択肢は豊富です。
ただし、大学病院とクリニックでは、単に「病院の規模」が違うだけではありません。
仕事内容はもちろん、夜勤、給与、休日、教育体制、身につきやすい経験まで変わります。
「夜勤がないからクリニック」のように1つの条件だけで決めると、転職後に別のギャップを感じるかもしれません。
この記事では、東京都で働く看護師に向けて、大学病院とクリニックの違いを8項目で比較します。
「結局どちらが自分に合っているのか」まで判断できるよう、求人を見るときのチェックポイントも紹介します。
1. 東京の大学病院とクリニックの違いを8項目で比較
まずは、大学病院とクリニックで働く看護師の違いをまとめて確認してみましょう。
| 比較項目 | 大学病院 | クリニック |
|---|---|---|
| 仕事内容 | 急性期・高度医療・専門的な看護に携わりやすい | 外来診療の介助・採血・点滴などが中心になりやすい |
| 夜勤 | 病棟勤務では夜勤があることが多い | 外来のみなら日勤中心。入院設備のある診療所では夜勤がある場合も |
| 給与 | 夜勤手当などを含めて考える必要がある | 夜勤なしの場合は手当が減る可能性がある |
| ボーナス | 勤務先の給与規程に基づいて支給 | 支給額・支給条件の差が大きいため求人ごとの確認が必要 |
| 勤務時間 | 交代制勤務になりやすい | 診療時間に合わせた日勤中心になりやすい |
| 休日 | シフト制が中心 | 休診日に合わせて固定される職場もある |
| 教育・研修 | 院内研修・教育体制が整備されている病院が多い | 職場ごとの差が大きい |
| キャリア | 専門分野・高度医療・研究などへ広げやすい | 診療科に特化した経験や外来看護の経験を積みやすい |
※上記は一般的な傾向です。大学病院でも外来勤務などでは夜勤がない場合があり、クリニックでも有床診療所では夜勤がある場合があります。実際の勤務条件は各求人・医療機関をご確認ください。
大きな違いは、「勤務時間」だけではなく「看護師として何を経験するか」です。
大学病院では、高度な医療を必要とする患者さんへの看護や、専門性の高い診療科を経験する機会があります。
教育・研修を受けながら知識や技術を深めたい人には、大きなメリットでしょう。
一方、クリニックでは外来診療が中心になるため、病棟とは仕事の流れが変わります。
日勤中心の職場を探しやすい点も、病棟勤務との大きな違いです。
つまり、転職先を決めるときは「どちらが楽か」ではなく、「今後どんな働き方と経験を優先したいか」から比較する必要があります。
「クリニック=楽」と考えて転職するとギャップが生まれることも
大学病院からクリニックへの転職を考える理由として、「夜勤をなくしたい」「病棟より落ち着いて働きたい」という方もいるでしょう。
たしかに外来のみのクリニックなら、夜勤がない求人を探しやすくなります。
しかし、夜勤がないことと、仕事そのものが楽なことは別です。
クリニックは大学病院より職員数が少ないこともあり、看護師が担当する仕事の範囲が広くなる場合があります。
クリニック転職で確認したい仕事内容
- 採血・注射・点滴は1日にどのくらい担当する?
- 診療介助以外に受付や電話対応を担当する?
- 医療材料・薬品の在庫管理を担当する?
- 院内清掃や診療準備は誰が担当する?
- 看護師が1人になる時間帯はある?
特に東京都内には、小規模なクリニックから複数院を展開する医療法人までさまざまな勤務先があります。
そのため、「クリニック」という勤務先の種類だけでは働き方を判断できません。
看護師の人数と業務範囲まで確認することが大切です。
クリニック求人では「夜勤なし」「日勤のみ」だけを見ないこと。
看護師数・1日の患者数・看護師が担当する業務範囲まで確認すると、実際の忙しさをイメージしやすくなります。
2. 仕事内容はどう違う?大学病院は「専門性」、クリニックは「外来対応」がポイント
大学病院とクリニックでは、看護師が関わる患者さんや業務の流れが異なります。
ここは「どちらの仕事が大変か」ではなく、自分が今後どんな看護をしたいのかで比較してみましょう。
大学病院は高度医療・専門的な看護を経験しやすい
大学病院では、一般的な診療だけでなく、高度・専門的な医療や研究、教育なども行われています。
そのため看護師も、配属された診療科や病棟で専門的な知識・技術を求められる場面があります。
たとえば東京大学医学部附属病院では、看護師の負担軽減に向けた取り組みとして、病棟薬剤師による持参薬管理や、抗がん剤調製の中央化、看護補助者・ナースアシスタントとの協働などを公表しています。
出典:東京大学医学部附属病院「看護師の負担軽減および処遇改善に関する取組事項」
こうした大規模病院では、看護師だけですべての業務を担うのではなく、薬剤師や看護補助者など複数の職種と連携して医療を提供する経験も積みやすくなります。
大学病院で経験しやすいこと
- 高度・専門的な医療を受ける患者さんへの看護
- 専門性の高い診療科での勤務
- 多職種と連携したチーム医療
- 院内研修や教育プログラムへの参加
- 専門・認定分野や特定行為研修などを見据えたキャリア形成
「まだ経験が浅いので教育体制を重視したい」「専門分野をつくりたい」という看護師なら、大学病院を選ぶ理由は明確です。
クリニックでは「診療科×患者層」で仕事内容が大きく変わる
一方、クリニックを比較するときに注意したいのが、「クリニック勤務」とひとまとめにしないことです。
内科、皮膚科、整形外科、小児科、婦人科、美容など、診療科によって看護師の仕事は変わります。
| 診療科の例 | 仕事内容を見るときのポイント |
|---|---|
| 内科 | 採血・点滴・検査介助などの頻度 |
| 整形外科 | 処置介助・患者さんの移動介助など |
| 小児科 | 予防接種・保護者対応・繁忙時期 |
| 婦人科 | 診察介助・検査・処置の内容 |
| 美容クリニック | 施術介助・カウンセリング・接遇など |
| 精神科・心療内科 | 問診・状態観察・服薬状況の確認 |
つまり、クリニックへ転職するときは「病棟を辞めたい」だけでは候補を絞り切れません。
これまでの経験を活かせる診療科なのか。それとも、未経験の分野へ移りたいのか。
ここまで考えて求人を選ぶと、転職後のミスマッチを減らせます。
-
夜勤がつらいから、もうクリニックならどこでもいいかなって思ってた…。

-
ちょっと待って!「どのクリニックで、何をするのか」まで見てから決めよう!

大学病院からクリニックへ転職するなら「今できること」を棚卸しする
大学病院からクリニックへの転職では、これまでの経験を一度整理しておくと求人を選びやすくなります。
転職前に書き出しておきたい経験
- 経験した診療科・病棟
- 採血・点滴・注射などの経験
- 担当してきた検査・処置
- 急変対応の経験
- 患者さん・家族への説明や指導の経験
- 新人指導・リーダー業務の経験
クリニックは大学病院より職員数が少ない場合もあります。
そのため、入職後すぐに任される業務があるのか、未経験業務を教えてもらえるのかは重要な確認事項です。
気になった質問はコピーして、見学・面接用にメモしておこう!
求人票だけでは分からないことは、病院見学や面接で確認するのが確実です。
下の質問はそのままコピーできるので、メモしておきましょう。
⚫︎入職後の業務に関する質問
「入職後、看護師が最初に担当する業務を教えていただけますか?」
「現在勤務されている看護師さんは、1日にどのような業務を担当されていますか?」
「未経験の処置について教えていただける期間や担当者はありますか?」
仕事内容を比較するときは、求人票の「業務内容」だけで終わらせず、自分が1日どのように働くことになるのかまで具体化してみましょう。
3. 給料・ボーナスで選ぶなら「月給」ではなく年収の内訳を比較する
大学病院とクリニックの給料を比べるとき、「月給が高いのはどっち?」だけで判断するのはおすすめできません。
なぜなら、看護師の収入は基本給だけでなく、夜勤手当・賞与・住宅手当などによっても変わるからです。
特に大学病院の病棟から日勤のみのクリニックへ転職する場合は、夜勤手当がなくなることで、月給や年収が下がる可能性があります。
大学病院とクリニックの給与を比較するときは、「月給○万円」ではなく「1年間でいくら受け取るのか」で考えましょう。
まず「今の年収」を5つに分解してみよう
クリニックへ転職した場合の収入を考えるなら、最初に現在の給与明細や源泉徴収票を確認してみましょう。
見るのは、次の5項目です。
転職前に確認したい現在の収入
- 基本給
- 夜勤手当
- 時間外手当
- 住宅手当・資格手当など
- 年間の賞与
ここまで分けると、「今の年収のうち、夜勤によっていくら増えているのか」が見えてきます。
たとえば現在の月給が32万円でも、そのうち5万円が夜勤手当なら、日勤のみの職場へ移ったあとも32万円を維持できるとは限りません。
一方で、年収が下がっても「夜勤をなくしたい」という希望が最優先なら、その差額を納得して受け入れられる人もいるでしょう。
大切なのは、転職してから年収ダウンに気づくのではなく、応募前に「いくらまでなら下がってもいいか」を決めることです。
ボーナスは「○ヶ月分」だけでは比較できない
賞与を見るときも注意が必要です。
求人票に「賞与4ヶ月分」と書かれていると魅力的ですが、賞与の計算に使われる金額が分からなければ、実際の支給額は判断できません。
たとえば、基本給25万円で賞与4ヶ月分なら、単純計算では年間100万円です。
一方、基本給30万円で賞与3.5ヶ月分なら105万円になります。
| 比較例 | 求人A | 求人B |
|---|---|---|
| 基本給 | 25万円 | 30万円 |
| 賞与 | 4ヶ月分 | 3.5ヶ月分 |
| 単純計算した賞与 | 100万円 | 105万円 |
※比較方法を説明するための架空の例です。実際の賞与額・算定基準・支給条件は勤務先によって異なります。
つまり、「賞与○ヶ月」という数字が大きい求人が、必ずしも年間の賞与額まで高いとは限りません。
賞与を見るときに確認したいこと
- 前年度の賞与実績は何ヶ月分?
- 賞与算定の基準になるのは基本給?
- 入職初年度も満額支給される?
- 昇給実績はある?
東京都で看護師のボーナス相場や、賞与の高い職場を探す方法については、以下の記事でも詳しく解説しています。
東京の看護師のボーナスはいくら?平均・職場別の違いと転職時のチェックポイント
大学病院からクリニックへの転職は「年収差÷12」で考える
年収が下がる求人を見つけたときは、年間の差額だけで判断せず、12ヶ月で割ってみるのもひとつの方法です。
たとえば現在の年収が500万円で、転職先の想定年収が440万円なら、差額は年間60万円です。
月額にすると約5万円になります。
そこで考えたいのが、
年収差と交換できる働き方
- 夜勤がなくなる
- 生活リズムを一定にできる
- 勤務終了時間を予測しやすくなる
- 土日・祝日などに休める職場を選べる
- 通勤時間を短くできる
といった変化に、自分なら月5万円を払えるかということです。
-
年収60万円ダウンって聞くと、かなり大きく感じる…。

-
月5万円で夜勤のない生活を選ぶ、と考えると判断しやすくなるかも。何を優先したいかで考えてみよう!

反対に「年収はできるだけ落としたくない」という人なら、夜勤手当を含めて収入を確保できる大学病院や病棟勤務を残したほうが、希望に合う可能性があります。
「大学病院とクリニックのどちらが高給か」ではなく、「自分は収入と働き方のどちらをどこまで優先するのか」まで決めておきましょう。
4. 夜勤・勤務時間・残業・休日は「生活がどう変わるか」で比較する
大学病院からクリニックへの転職で、大きく変わりやすいのが勤務時間です。
大学病院の病棟では交代制勤務が中心です。
一方、外来のみのクリニックでは、診療時間に合わせた日勤中心の働き方を探しやすくなります。
ただし、「夜勤なし=毎日早く帰れて、土日も休める」とは限りません。
クリニックにはクリニックならではの勤務時間があります。
夜勤をなくしたいならクリニックは有力。ただし「診療時間」を見る
生活リズムを整えたい看護師にとって、日勤のみのクリニックは有力な選択肢です。
しかし、求人を見るときは「日勤のみ」で止まらず、実際の診療時間と勤務終了時間まで確認しましょう。
たとえば午前診療と午後診療の間に長い休憩時間があるクリニックでは、拘束時間が長くなる場合があります。
また、診療受付が終了しても、最後の患者さんの対応や片付けが残ることもあります。
クリニックの勤務時間で確認したいこと
- 午前・午後の診療時間は何時から何時まで?
- 昼休憩は何時間ある?外出できる?
- 最終受付から退勤まで平均どのくらいかかる?
- 早番・遅番はある?
- 土曜・日曜・祝日の診療はある?
クリニックを探すなら、「夜勤なし」より「自宅を出てから帰宅するまで何時間になるか」で比べてみましょう。昼休憩が長い職場では、実働時間が短くても拘束時間が長くなることがあります。
大学病院なら「夜勤回数」だけでなくシフトの組み方を見る
大学病院の病棟勤務を続ける場合も、「夜勤があるから大変」で終わらせず、中身を確認してみましょう。
同じ夜勤回数でも、勤務間隔や夜勤人数によって負担は変わります。
たとえば東京大学医学部附属病院では、看護師の負担軽減に向けた取り組みとして、勤務と勤務の間隔を11時間以上確保することを掲げています。
さらに、夜勤翌日の休日確保や、各看護単位で3人以上の夜勤者を配置することなども公表しています。
出典:東京大学医学部附属病院「看護師の負担軽減および処遇改善に関する取組事項」
これは「東京大学医学部附属病院なら楽に働ける」という意味ではありません。
参考にしたいのは、夜勤回数以外にも比較できる項目があるという点です。
⚫︎夜勤やシフトに関する質問
「月平均の夜勤回数は何回ですか?」
「夜勤は看護師何名で勤務していますか?」
「夜勤明けから次の勤務までは、どのようなシフトになることが多いですか?」
大学病院で働き続けたいけれど夜勤がつらい場合は、すぐに「クリニックへ転職」と決めなくても構いません。
夜勤体制が違う病院へ移る、外来勤務を検討するなど、大学病院・病院勤務の中で働き方を変える方法もあります。
「土日休みたい」ならクリニックではなく休診日を見る
休日についても、「大学病院=シフト制」「クリニック=土日休み」と覚えるのは危険です。
クリニックの休日は、基本的に診療日と関係します。
そのため、土曜日に診療するクリニックなら土曜勤務になる可能性があります。
美容クリニックなどでは、利用者が来院しやすい土日・祝日が勤務日になる求人もあります。
そこで、固定休を希望する場合は「クリニックかどうか」ではなく「何曜日が休診なのか」を確認しましょう。
| 希望する働き方 | 求人で優先して見るところ |
|---|---|
| 夜勤をなくしたい | 日勤のみ・外来勤務・有床/無床 |
| 土日を休みたい | 休診日・土曜診療・休日出勤 |
| 毎週同じ曜日に休みたい | 固定休・休診日 |
| 連休を取りたい | 年間休日・有給取得状況・長期休暇 |
| 早く帰りたい | 診療終了時間・残業・昼休憩・通勤時間 |
このように、希望する生活から逆算すると、求人で見るべき場所が変わります。
クリニックは「残業時間」より1日の患者数も確認する
残業についても、大学病院とクリニックを単純に比較することはできません。
特にクリニックでは、1日に何人の患者さんが来院し、何人の看護師で対応しているのかが忙しさを考えるヒントになります。
たとえば同じ診療時間でも、看護師2人で多くの患者さんを対応する職場と、複数の看護師や医療事務が役割分担している職場では働き方が変わります。
⚫︎残業や業務量に関する質問
「1日の平均来院患者数はどのくらいですか?」
「1日の看護師の勤務人数は何名ですか?」
「診療終了後は、平均何時ごろに退勤されていますか?」
「残業月5時間」だけを見るより、患者数・看護師数・実際の退勤時間をセットで聞いたほうが、働く姿を想像しやすくなります。
5. ここまでで「大学病院向き」「クリニック向き」を一度判定してみよう
ここまで比較した時点で、一度自分の希望を整理してみましょう。
教育制度やキャリアについては次の章で詳しく比較しますが、仕事内容・収入・勤務時間だけでも向いている職場はかなり絞れます。
| こんな希望が強い | 現時点で検討しやすい職場 |
|---|---|
| 高度医療・専門的な看護を経験したい | 大学病院 |
| 夜勤をなくしたい | 無床クリニック・病院外来 |
| 夜勤手当を含めた収入を維持したい | 大学病院・病棟勤務 |
| 毎週決まった曜日に休みたい | 固定休のあるクリニック |
| 大人数の組織より少人数で働きたい | クリニックを候補にしやすい |
| 今後も専門性を高めたい | 大学病院を優先して比較 |
| 病棟勤務から離れて生活リズムを変えたい | クリニック・病院外来 |
ここで「クリニック向き」が多くても、すぐに大学病院を辞める必要はありません。反対に「大学病院向き」が多くても、今の病院に残る必要もありません。
この表で分かるのは「次の求人で何を優先すべきか」です。
たとえば「専門性は高めたい。でも夜勤はもう続けたくない」という人なら、大学病院かクリニックかの二択にする必要はありません。
大学病院の外来、専門クリニック、日勤のみで専門性を活かせる職場など、両方の希望を満たせる求人を探す方法があります。
反対に、「クリニックなら何でもいい」と考えていたものの、収入も教育環境も落としたくないと分かったなら、病院勤務のまま勤務先を変えるほうが合っているかもしれません。
このように、大学病院かクリニックかを先に決めるのではなく、自分が捨てたくない条件から勤務先を決めることが転職先選びのポイントです。
6. 福利厚生は「制度の多さ」より自分が実際に使うものを比較する
福利厚生は、大学病院のほうが制度の種類が多い傾向にあります。
ただし、制度が多ければ自分にとって働きやすいとは限りません。
「自分が今後使う可能性がある制度は何か」で比較しましょう。
たとえば、東京都内の大学病院で長く働くなら、住宅・育児・介護などの支援は確認しておきたいポイントです。
大学病院の求人で確認したい福利厚生
- 住宅手当・職員宿舎はある?
- 産前産後休暇・育児休業の取得実績は?
- 育児短時間勤務は何歳まで利用できる?
- 院内保育所・病児保育はある?
- 退職金制度の条件は?
- 資格取得・研修への支援はある?
一方、クリニックは勤務先によって制度の差が大きくなります。
特に確認したいのが、「制度があるか」ではなく「実際に利用できる職場なのか」です。
たとえば「育児休業制度あり」と書かれていても、看護師が数人しかいない職場では、休業中の人員をどのように補っているのかまで確認したほうが安心です。
⚫︎子育ての理解度に関する質問
「産休・育休から復帰された看護師さんはいらっしゃいますか?」
「子育て中の看護師さんは、現在何名くらい勤務されていますか?」
「お子さんの体調不良などで急なお休みが必要な場合は、どのように対応されていますか?」
福利厚生は「制度の数」を競うものではありません。
住宅支援が必要なら住宅制度、子育てとの両立を考えるなら育児支援など、これからの自分が使いそうな制度を優先して比較しましょう。
7. 教育・研修を重視するなら大学病院が向いている
教育・研修については、大学病院とクリニックの違いが出やすい部分です。
看護師としてまだ経験を積みたい、専門性を高めたいという人は、大学病院を優先して検討する理由があります。
大学病院は「働きながら学ぶ」環境を選びやすい
大学病院は、診療だけでなく教育や研究の役割も担っています。
そのため、看護師向けの教育プログラムや研修制度を設けている病院があります。
たとえば東京大学医学部附属病院の看護部では、キャリアラダーを用いた能力開発や院内研修などを実施しています。
さらに、院内には専門看護師や認定看護師などが在籍しており、専門性を高めながら働くキャリアも考えられます。
また、東京科学大学病院でも、看護師のキャリア開発を支援する教育体制を設けています。
大学病院を候補にしたい人
- 新人・若手で、まだ基礎から経験を積みたい
- 専門分野をつくりたい
- 認定看護師・専門看護師などを視野に入れている
- 高度医療に関わりたい
- 院内研修を活用して学び続けたい
特に「今は忙しいから大学病院を辞めたい」と考えている人は、今の環境を離れることで失うものも一度整理しておきましょう。
教育環境や専門性を高められる機会まで手放したくないなら、クリニックへ移ることだけが解決策ではありません。
東京都内には複数の大学病院があります。
そのため、大学病院から別の大学病院へ転職して、働き方だけを変えるという選択肢もあります。
東京都の看護師求人やエリアごとの転職事情をさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてみてください。
クリニックでは「誰が教えてくれるか」まで確認する
クリニックでも研修や教育制度を設けている職場はあります。
ただし、大学病院と同じ規模の教育体制を前提に求人を選ぶのは避けたほうがよいでしょう。
少人数のクリニックでは、先輩看護師と実際の業務を行いながら覚えていく職場もあります。
そのため、未経験の診療科へ転職するなら、「研修あり」という一言より、入職後の1ヶ月を確認するほうが具体的です。
⚫︎未経験の診療科を希望する人がすると良い質問
「入職後1ヶ月は、どのような流れで仕事を覚えていきますか?」
「教育を担当してくださる方はいらっしゃいますか?」
「独り立ちするまでの目安はありますか?」
この3つを聞けば、「研修制度あり」という求人票だけでは見えなかった教育体制を確認できます。
未経験分野へ挑戦するなら、「クリニックだから教育制度は必要ない」と考えないこと。
即戦力として求められる仕事と、入職後に教えてもらえる仕事を分けて確認しておきましょう。
8. キャリアアップを重視するなら「5年後に何ができるか」で決める
大学病院とクリニックのどちらを選ぶか迷ったら、今の働きやすさだけでなく「5年後にどんな看護師になっていたいか」も考えてみましょう。
ここは、大学病院とクリニックで違いが出やすいポイントです。
専門性を高めたいなら大学病院を選ぶ理由は強い
専門分野を深めたい人には、大学病院が向いています。
大学病院では高度・専門的な医療に携わる機会があり、院内研修やキャリア支援を受けながら経験を積める病院があります。
たとえば東京大学医学部附属病院では、看護師を対象とした特定行為研修も実施しています。
将来的に専門看護師・認定看護師・特定行為研修などを考えているなら、資格取得そのものだけでなく、取得後にその専門性を活かせる環境があるかまで見ておきましょう。
看護師の資格取得と給料・キャリアの関係については、以下の記事でも詳しく紹介しています。
資格を取得すると看護師の給料は本当に上がる?現場のリアルな声を紹介
クリニックを選ぶなら「何の経験が残るか」を考える
クリニックへの転職は、キャリアアップを諦めることではありません。
ただし、大学病院とはキャリアの伸ばし方が変わると考えたほうが分かりやすいでしょう。
たとえば糖尿病、消化器、婦人科、皮膚科など、特定の診療領域に強いクリニックなら、その分野の外来看護を経験できます。
また、美容クリニックなら美容医療に関する知識や施術介助、接遇など、病棟とは異なる経験を積めます。
美容看護師の給与や働き方については、以下の記事でも詳しく解説しています。
美容看護師の年収はいくら?平均月収・手取り・ボーナスと給料が高い理由を解説
つまりクリニックを選ぶなら、「病棟を辞めたあと、次の3年間で何ができるようになるか」を考えてみましょう。
クリニック選びで考えたい3年後
- その診療科でどんな知識が身につく?
- どんな処置・検査を経験できる?
- その経験は次の転職でも活かせる?
- 看護師として担当できる仕事は増える?
「夜勤がないから」「家から近いから」だけで選ぶと、数年後にもう一度転職したくなったとき、次の職場選びで悩む可能性があります。
働きやすさを優先する場合でも、そこで何を経験できるのかは確認しておきましょう。
9. 結局どっち?大学病院・クリニック向きの看護師を最終判定
ここまでの比較を、「結局、自分はどちらを選べばいい?」という視点で整理します。
次の表では、希望する条件ごとにどちらを優先して探すべきかをまとめました。
| あなたが一番叶えたいこと | 優先したい勤務先 | 理由 |
|---|---|---|
| 高度医療を経験したい | 大学病院 | 専門性の高い医療を経験しやすい |
| 教育を受けながら成長したい | 大学病院 | 体系的な教育・研修を受けられる病院がある |
| 認定・専門分野などを目指したい | 大学病院 | 資格取得・キャリア支援を確認しやすい |
| 夜勤をなくしたい | 無床クリニック | 日勤のみの求人を探しやすい |
| 生活リズムを一定にしたい | クリニック | 診療時間に合わせた勤務を選びやすい |
| 毎週同じ曜日に休みたい | 固定休のクリニック | 休診日が固定されている職場を選べる |
| 夜勤手当を含めた収入を維持したい | 大学病院・病棟 | 日勤のみへの転職では夜勤手当がなくなるため |
| 少人数の職場で働きたい | クリニック | 小規模な組織を選びやすい |
| 専門性も残したいが夜勤は辞めたい | 大学病院外来・専門クリニック | 二択にせず、専門性と日勤を両立できる職場を探せる |
大学病院を選んだほうがいい人
大学病院向き
- まだ看護師として経験を積みたい
- 高度医療・専門分野に興味がある
- 教育制度が整った環境で学びたい
- 将来的な資格取得・キャリアアップを考えている
- 夜勤を続けてでも収入を維持したい
このタイプなら、「忙しいから」という理由だけで大学病院を離れるのは一度考え直してもいいでしょう。
今の病院が合わないのであれば、大学病院そのものを辞めるのではなく、東京都内の別の大学病院へ転職する方法もあります。
クリニックを選んだほうがいい人
クリニック向き
- 夜勤のない生活を最優先したい
- 病棟勤務から離れたい
- 固定休のある職場を探したい
- 特定の診療科で外来看護を経験したい
- 大規模な組織より少人数の職場で働きたい
このタイプなら、大学病院の福利厚生や教育制度を理由に残り続けるより、自分が希望する生活に合うクリニックを探すほうが満足度を高められる可能性があります。
実は「どちらでもない」人もいる
ここは意外と重要です。
「大学病院はもうつらい。でもクリニックへ行くと収入やキャリアが心配」という人は、そもそも大学病院とクリニックの二択にする必要がありません。
こんな選択肢もある
- 一般病院・総合病院へ転職する
- 病院の外来へ転職する
- 健診センターで働く
- 企業看護師など病院以外の職場を探す
- 専門性を活かせる日勤のみの求人を探す
看護師資格を活かせる職場は、病院とクリニックだけではありません。
病院以外の働き方については、以下の記事で10種類紹介しています。
病院以外の働き方10選!看護師の資格を活かせる意外な職場と転職のコツ
「大学病院は合わない」=「クリニックへ転職」ではありません。
先に「次の職場で絶対に変えたいこと」を決めて、その条件を満たす勤務先を探しましょう。
10. 東京で大学病院・クリニックを選ぶなら「捨てたくない条件」から求人を探そう
東京都には大学病院、総合病院、専門病院、クリニックなど、多くの選択肢があります。
だからこそ、最初から「大学病院かクリニックか」を決める必要はありません。
まず、次の3つを書き出してみましょう。
転職前に決める3つの条件
- 絶対に変えたいこと:夜勤・残業・人間関係など
- 絶対に失いたくないこと:年収・休日・教育環境など
- これから手に入れたいこと:専門性・固定休・通勤時間の短縮など
たとえば「夜勤は絶対に辞めたい。でも年収450万円以上は維持したい」と決めれば、求人の探し方はかなり具体的になります。
「専門性を高めたい。でも今の病院の残業には耐えられない」なら、教育体制を残しつつ働き方を変えられる病院を探せます。
反対に、優先順位を決めないまま求人を見ると、「給料はいいけど夜勤が多い」「日勤のみだけど年収が想定より低い」と迷い続けてしまいます。
勤務先の種類から選ぶのではなく、自分が捨てたくない条件から職場を選ぶ。
これが、大学病院とクリニックで迷ったときの答えです。
東京都で転職を考えている看護師さんは、以下のページも参考にしてください。
東京都でおすすめの看護師転職サイト・求人
また、転職活動を始める手順が分からない場合は、以下の記事で準備から応募まで詳しく紹介しています。
はじめての看護師転職は何から始める?御礼奉公後の転職準備・進め方・成功のコツ
大学病院とクリニックの「どちらが良いか」を決める必要はありません。
「自分ならどちらを選ぶべきか」を決められれば十分です。
