歯科衛生士の給料と働き方|20代・30代・40代、あなたに合う働き方は?

「歯科衛生士って国家資格だし、女性でもずっと安定して働ける?」

そんなとき、やっぱり気になるのがお給料のこと。

でも、本当に知りたいのは平均年収だけではなく、「働き方が変わっても、歯科衛生士としてちゃんと稼いでいける?」ということではないでしょうか。

20代、30代、40代以降で、働き方も仕事に求めるものも変わります。

歯科衛生士の給料をライフステージとあわせて見ながら、自分に合った働き方を探してみましょう。

まずは現実。歯科衛生士はいくら稼いでる?

まずは、歯科衛生士全体の平均的な給料を見てみましょう。

項目 金額
平均月給 約29.5万円
年間賞与 約42.0万円
平均年収 約396万円

※厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」より。平均年収は「きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額」から算出。企業規模10人以上の一般労働者が対象です。

平均年収を見ると、

「思ってたより高い!」

という人もいれば、

「国家資格なのに、これくらい?」

「え、私こんなにもらってないんだけど……」

と思った人もいるかもしれません。

たぶん、その感覚でOKです。

なぜなら、平均年収はあくまで「平均」だから!

同じ歯科衛生士でも、経験年数や勤務先、雇用形態、勤務時間などによって収入は変わります。

週5日フルタイムで働く人と、勤務日数や時間を抑えて働く人を、年収だけで比べてもあまり意味はありません。

反対に、同じフルタイムでも経験や担当業務によって給与に差がつくこともあります。

つまり、平均年収だけを見て、「歯科衛生士なら安心!」とも、「歯科衛生士って稼げない……」とも言い切れないんです。

そこで、もう少し具体的に自分の年齢に近いところから見てみましょう。

20代|「今の給料、低くない?」は将来まで続く?

まずは20代です。

年齢 月給相当 年間賞与 年収相当額
20~24歳 約25.9万円 約21.9万円 約333万円
25~29歳 約28.9万円 約48.2万円 約395万円

厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査」をもとに算出すると、20代の歯科衛生士の年収相当額は約361万円です。

さらに5歳刻みで見ると、20~24歳の約333万円に対して、25~29歳では約395万円。

同じ20代でも、年収相当額には約62万円の差があります。

「国家資格なのに、最初は思ったより高くないかも……」

そう感じた人もいるかもしれません。

ただ、この数字だけを見て「5年働けば年収が62万円上がる」と考えることはできません。

年齢だけでなく、経験年数や勤務先、働き方なども異なる人たちを集計した結果だからです。

それでも20代で考えておきたいのは、「今いくらもらっているか」だけではなく、「この先、何を身につけられるか」ということ。

年齢を重ねれば、自動的に給料が上がるわけではありません。

だからこそ20代の職場選びでは、月給の高さだけでなく、

  • 昇給制度はある?
  • どんな処置を経験できる?
  • 研修や教育体制は整っている?
  • 興味のある診療分野を学べる?
  • 経験や資格が給与に反映される?

といったところまで見ておきたいところ。

「ここで3年働いたら、私は何ができるようになる?」

そんな視点で職場を見てみると、今の月給だけでは分からなかった違いが見えてくるかもしれません。

30代|20代より約55万円アップ。でも、ここからが面白い?!

続いて30代です。

年齢 月給相当 年間賞与 年収相当額
30~34歳 約29.7万円 約55.1万円 約411万円
35~39歳 約30.8万円 約61.0万円 約431万円

30代の歯科衛生士の年収相当額は約416万円

20代の約361万円と比べると、年間で約55万円高くなっています。

5歳刻みで見ても、30~34歳で約411万円、35~39歳では約431万円です。

「じゃあ、このまま40代、50代と働けば、もっと上がっていく?」

と思いますよね。

ところが、そう単純でもありません。

30代になると、歯科衛生士としての経験だけでなく、働き方そのものにもかなり差が出てきます。

もっと収入を上げたい人。

専門性を高めたい人。

勤務時間を短くしたい人。

結婚や出産、子育てをきっかけに働き方を変える人。

一度仕事を離れて、復職する人。

もちろん、ライフイベントとは関係なくキャリアを積み続ける人もいます。

同じ「30代の歯科衛生士」でも、働いている時間も、経験年数も、仕事に求めるものも違うんです。

だから、「30代の平均年収が約416万円=30代なら416万円もらえる」ではありません。

ここからは「同年代はいくら?」だけではなく、

「私が希望する働き方なら、どのくらいの収入を目指せる?」

という見方も必要になってきます。

40代|あれ?30代とほとんど変わらない

では、さらに経験を積んだ40代はどうでしょうか。

年齢 月給相当 年間賞与 年収相当額
40~44歳 約28.0万円 約34.8万円 約371万円
45~49歳 約32.4万円 約69.0万円 約457万円

40代の歯科衛生士の年収相当額は約417万円です。

30代が約416万円だったので、年代全体で見るとほぼ横ばい

でも、5歳刻みで見るとちょっと面白い結果になっています。

40~44歳は約371万円なのに対して、45~49歳は約457万円。

同じ40代でも、年収相当額には約87万円もの差があります。

さらに40~44歳だけを見ると、30代の年収相当額より低くなっています。

「え?経験を積んでいるはずなのに、なんで?」

と思いますよね。

ただし、この統計だけから「歯科衛生士は40代前半になると給料が下がる」と判断することはできません。

この調査は同じ人を20代から40代まで追いかけたものではなく、それぞれの年齢階級で働いている歯科衛生士の給与を集計したものです。

そのため、この差が生まれた理由までは分かりません。

勤務先や経験年数、担当業務、勤務時間など、さまざまな違いが数字に含まれています。

でも、ひとつ言えるのは、「40代の平均年収」だけを見ても、自分の将来の給料は分からないということ。

経験を生かしてフルタイムでしっかり稼ぎたい人もいれば、勤務日数や時間を抑えて働きたい人もいます。

だから40代以降は、

「年齢が上がったから、いくらもらえる?」ではなく、「これまでの経験を、これからどんな働き方に生かす?」

と考えた方が、自分に合った職場を探しやすくなります。

20代・30代・40代を並べてみると?

ここまでの年代別年収を並べてみると、こんな結果になります。

年代 月給 年間賞与 年収相当
20代 約27.3万円 約33.8万円 約360.9万円
30代 約29.8万円 約58.2万円 約415.6万円
40代 約30.3万円 約53.2万円 約417.3万円

※年代全体の数値は、5歳刻みの数値を単純平均したものではなく、各年齢階級の労働者数をもとに加重平均しています。

20代から30代では、年収相当額が約55万円アップ

でも、30代から40代ではほぼ横ばいです。

さらに5歳刻みで見ると、40代前半で下がり、40代後半では大きく上がるなど、単純な右肩上がりにはなっていません。

つまり、

「年齢が上がるほど、ずっと年収も上がっていく」わけではない

ことが分かります。

もちろん、これはあくまで統計上の数字。

「20代の人が10年後に必ずこの金額になる」という将来予測ではありません。

年代別の平均年収は「将来このくらいもらえる」という予想図ではなく、働き方やキャリアを考えるためのひとつの参考値として見るくらいがちょうどよさそうです。

じゃあ結局、歯科衛生士の給料は女性でも安心?

ここまで数字を見てきて分かるのは、歯科衛生士の給料は「年齢と一緒にずっと右肩上がりになる」とは限らないということ。

だから、

「国家資格だから、働き続けていれば自然と給料も上がって安心!」

……と考えるのは、ちょっと違いそう。

でも歯科衛生士には、資格とこれまで積んできた経験を生かしながら、働き方を選び直せるという強みがあります。

収入を重視して働く。

勤務時間を短くする。

一度仕事を離れる。

経験を生かして、もう一度しっかり働く。

専門性を高めて、給与アップを目指す。

人生ずっと、同じペース・同じ働き方を続ける必要はありません。

そう考えると「女性でも安心?」への答えは、

「資格があるから何もしなくても安心」ではなく、「ライフステージが変わっても、資格や経験を生かして働き方を選び直せることが、ひとつの安心材料になる」

なのではないでしょうか。

今のあなたは、何を優先したい?

ここまで読んで、「じゃあ私は、どんな職場を探せばいいんだろう?」と思ったら、まずは今の自分が仕事に何を求めているのかを考えてみましょう。

とにかく収入を上げたい

給与アップを目指すなら、月給の金額だけでなく、基本給・賞与・昇給制度・歯科衛生士手当などを確認しましょう。

また、これまで経験してきた業務や診療分野を評価してもらえるかも重要です。

求人票だけでは経験加算などが分からない場合もあるため、面接時に「これまでの経験が給与にどう反映されるか」を確認してみてもよいでしょう。

さらに、歯周病やインプラント、矯正などの認定資格を取得して専門性を高める方法もあります。

資格取得が必ず給与アップにつながるわけではありませんが、資格手当や転職時の評価につながることもあります。

▶︎ 歯科衛生士のキャリアアップに役立つ資格・認定制度はこちら

仕事以外の時間を増やしたい

「残業ほぼなし」「18時まで」と書いてあっても、実際に18時に帰れるとは限りません。

最終受付時間、片付け、カルテ入力などを含めて、実際の退勤時間を確認しておきましょう。

月給が少し高くても毎日帰宅が遅い職場と、収入は少し下がっても自分の時間を確保できる職場。

どちらがいいかは、そのときの自分次第です。

家庭と両立したい

勤務時間だけでなく、急な休みへの対応や時短勤務、パートへの変更なども確認してみましょう。

今の条件だけでなく、数年後に生活が変わったときも働き続けられるかを見ておくと、職場選びの幅が広がります。

歯科衛生士としてもっと成長したい

給与だけでなく、担当できる業務や教育体制にも注目。

予防歯科、歯周病管理、矯正歯科、訪問歯科など、興味のある分野を経験できる職場なら、将来の選択肢を増やせる可能性があります。

「今いくらもらえるか」だけでなく、「ここで働いた経験が次につながるか」も考えてみましょう。

ブランクから復職したい

久しぶりに歯科衛生士として働くなら、給与だけでなく、研修期間や教育担当者の有無、どこまでの処置を最初から任されるのかなども確認したいところ。

まずは勤務日数を抑えて復職し、慣れてから勤務時間を増やすという働き方もあります。

子育て中で「転職活動の時間が取れない」という方は、スキマ時間を使った仕事探しの方法も参考にしてみてください。

▶︎ 歯科衛生士ママのスキマ時間転職活動についてはこちら

「歯科衛生士を続けられる?」より「私はどう働きたい?」

給料が思ったより上がらない。

今の勤務時間がしんどい。

生活と仕事が合わなくなってきた。

そんなとき、「もう歯科衛生士を続けるの無理かな……」と思ってしまうこともあるかもしれません。

でも、歯科衛生士を続ける=今と同じ働き方を続ける、ではありません。

正社員からパートに変えてもいい。

パートから正社員を目指してもいい。

もっと給与の高い職場へ転職してもいい。

勤務時間の短い職場を選んでもいい。

興味のある診療分野へ進んでもいい。

同じ歯科衛生士でも、働き方はいろいろあります。

だから、これからの給料や働き方に不安を感じたら、

「歯科衛生士の給料なら安心?」ではなく、
「私はいくら必要で、どんな働き方なら無理なく続けられる?」

と考えてみてください。

その答えが見えてくると、求人を見るときにも「給与が高い・低い」だけではなく、自分に合っているかどうかで職場を選びやすくなります。

今の職場と自分の希望が合わなくなってきたなら、それは歯科衛生士を辞めるタイミングではなく、働き方を選び直すタイミングなのかもしれません。

「もう少し給料を上げたい」と感じているなら、給与交渉・資格取得・転職など、今の状況に合った方法から考えてみましょう。

▶︎ 歯科衛生士が給料を上げる方法を見てみる

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