公開日:2026/08/21
更新日:2026/08/22
歯科衛生士におすすめの資格・認定制度6選|キャリアアップや転職にどう生かす?
「歯科衛生士として、もう少しスキルアップしたい」
「今の経験を、これからのキャリアに生かせる資格ってある?」
歯科衛生士には、国家資格を取得したあとも、専門分野について学べる資格や認定制度があります。
ただ、資格を取れば必ず給料が上がるわけではありません。
大切なのは、「何を取るか」より「これから、どんな歯科衛生士になりたいか」。
この記事では、歯周病やインプラント、小児歯科、訪問歯科など、やりたい仕事に合わせて選べる資格・認定制度を紹介します。
そもそも歯科衛生士に「上位資格」はある?
歯科衛生士として働くために必要なのは、国家資格である歯科衛生士免許です。
そのため、ここで紹介する資格や認定制度を取得しなければ歯科衛生士として働けない、というわけではありません。
一方で、歯科衛生士免許を取得したあとに、特定の分野について一定の知識や技能を持っていることを認定する制度があります。
代表的なのが、日本歯科衛生士会や各専門学会などが設けている「認定歯科衛生士」「専門歯科衛生士」などの制度です。
こうした資格・認定制度を目指す過程で専門分野について学べるほか、自分がこれまで積んできた経験をひとつの形にすることもできます。
なお、この記事では分かりやすく「資格」と表現する場合がありますが、主に学会や団体が設ける認定制度を紹介しています。
取得条件は制度によってさまざま。
実務経験や症例、研修受講、学会への入会などが必要なものもあるため、「受験すればすぐ取れる資格」ばかりではありません。
資格一覧|やりたい仕事から資格を探してみよう
「資格を取りたいけれど、何を取ればいいか分からない」という人は、まず今の仕事で興味があること、これから担当してみたい仕事から考えてみると選びやすくなります。
| 興味のある分野 | 資格・認定制度の例 |
|---|---|
| 歯周病・予防 > | 日本歯周病学会 認定歯科衛生士 |
| インプラント > | インプラント専門歯科衛生士 |
| 子ども・小児歯科 > | 日本小児歯科学会 認定歯科衛生士 |
| 訪問歯科・高齢者 > | 認定歯科衛生士(在宅療養指導・口腔機能管理) |
| 摂食・嚥下 > | 認定歯科衛生士(摂食嚥下リハビリテーション) |
| 医科との連携 > | 認定歯科衛生士(医科歯科連携・口腔機能管理) |
歯周病・予防歯科を極めたい|日本歯周病学会 認定歯科衛生士
歯周病治療や予防歯科に興味があるなら、日本歯周病学会の「認定歯科衛生士」が選択肢のひとつです。
歯周病への対応を的確に行い、長期にわたって口腔の健康管理に貢献できる歯科衛生士を認定する制度です。
歯科衛生士の仕事の中でも、歯周基本治療やSPT、メインテナンスなどに深く関わっている人にとっては、これまでの経験をさらに深める目標にもなります。
「予防歯科が好き」
「患者さんを長く担当して口腔内の変化を見ていきたい」
「歯周病についてもっと専門的に学びたい」
という人なら、検討してみてもよいでしょう。
インプラントに強くなりたい|インプラント専門歯科衛生士
インプラント分野で専門性を高めたい人には、日本口腔インプラント学会の「インプラント専門歯科衛生士」があります。
インプラント治療の介助やメインテナンスに携わってきた歯科衛生士を対象とした専門資格です。
取得には、歯科衛生士免許だけでなく、学会の正会員歴やインプラント治療に関する実務経験、学術大会への参加、教育講座の受講など複数の条件があります。
つまり、
「インプラントに興味があるから、とりあえず受験してみよう!」
という資格ではなく、実際にインプラント治療に携わりながら専門性を高めていく資格と考えた方が分かりやすいでしょう。
将来的にインプラントを多く扱う歯科医院で働きたい人や、現在の勤務先でインプラントの介助・メインテナンスに携わっている人に向いています。
子どもの歯科診療に関わりたい|日本小児歯科学会 認定歯科衛生士
「子どもと関わるのが好き」
「小児歯科をもっと深く学びたい」
という人には、日本小児歯科学会の認定歯科衛生士制度があります。
小児歯科についての知識や技術を深め、これまでの経験を専門性として生かしていきたい歯科衛生士にとって、ひとつの目標になる認定制度です。
小児歯科では、単に歯科処置を行うだけでなく、子どもの成長や発達を踏まえた対応、保護者への指導なども重要になります。
小児歯科医院で働いている人はもちろん、今後小児歯科分野にキャリアを広げたい人にとっても、検討したい認定制度のひとつです。
訪問歯科・高齢者歯科に進みたい|在宅療養指導・口腔機能管理
「診療室の中だけじゃなく、訪問歯科にも興味がある」
「高齢者の口腔ケアに関わりたい」
そんな人なら、日本歯科衛生士会の認定歯科衛生士制度にある「在宅療養指導・口腔機能管理」も選択肢です。
対象となるのは、在宅療養者や要介護者などの口腔機能管理に関する専門分野。
歯科診療所だけでなく、病院、高齢者介護施設、在宅など、歯科衛生士が活躍する場所は広がっています。
「将来もずっと一般歯科だけで働くのかな?」
と考えている人にとって、訪問歯科や高齢者歯科の経験を積むことは、キャリアの選択肢を増やすひとつの方法です。
なお、日本歯科衛生士会の認定研修では、歯科衛生士としての実務経験など、受講にあたって一定の条件が設けられています。
取得を検討する場合は、日本歯科衛生士会の公式サイトで最新の受講基準を確認しましょう。
「食べる」を支えたい|摂食嚥下リハビリテーション
高齢者歯科や訪問歯科に興味がある人なら、もうひとつ知っておきたいのが「摂食嚥下リハビリテーション」です。
摂食嚥下とは、食べ物を認識し、口に取り込み、噛んで飲み込むまでの一連の働きのこと。
日本歯科衛生士会では、「摂食嚥下リハビリテーション」を認定歯科衛生士の認定分野のひとつとして設けています。
訪問歯科や病院、高齢者施設などでは、口の中をきれいにするだけでなく、「安全に食べる」「口から食べ続ける」ことを支える役割も重要になります。
「高齢者の生活そのものに関わる仕事がしたい」
「口腔ケアだけでなく、食べることまで支えたい」
という人なら、学んでおきたい分野のひとつです。
病院・医療連携に興味がある|医科歯科連携・口腔機能管理
歯科衛生士の活躍の場は、歯科医院だけではありません。
病院などで医師や看護師など他職種と連携しながら、患者さんの口腔管理に関わる働き方もあります。
日本歯科衛生士会には「医科歯科連携・口腔機能管理」の認定分野があり、病院等における多職種連携や、周術期などの口腔機能管理に関する専門性を高めることができます。
「歯科医院以外でも働いてみたい」
「チーム医療に関わりたい」
という人にとって、キャリアの方向性を考えるきっかけになるでしょう。
資格を取ったら給料は上がる?
ここは気になる人も多いですよね。
結論からいうと、
資格を取得しただけで、必ず給料が上がるとは限りません。
資格手当を設けている勤務先もあれば、給与には直接反映されない勤務先もあります。
また、資格そのものよりも、そこで身につけた知識や技術、実務経験が評価されることもあります。
だから資格を選ぶときは、
- 今の職場に資格手当はある?
- 取得した資格を実際の業務で生かせる?
- 自分が進みたい診療分野と合っている?
- 転職するとき、その経験を生かせる職場はある?
- 取得や更新に必要な時間・費用を負担できる?
まで確認しておくのがおすすめです。
「資格を取る=給料を上げる」ではなく、「専門性を高めた結果として、任される仕事や転職先の選択肢が広がる可能性がある」
くらいに考えておいた方がよいでしょう。
資格は「有名だから」ではなく「これから何をしたいか」で選ぼう
歯科衛生士向けの資格や認定制度は、今回紹介したものだけではありません。
日本歯科衛生士会にも複数の認定分野があり、専門学会が独自に設けている制度もあります。
だから、
「歯科衛生士なら、この資格を取っておけば間違いない!」
というものがあるわけではありません。
大切なのは、
「資格を取って、何ができるようになりたい?」
ということ。
歯周病を極めたいなら、歯周病。
子どもと関わりたいなら、小児歯科。
訪問歯科に進みたいなら、在宅療養や摂食嚥下。
インプラントを担当しているなら、その専門性を深める。
今すぐ資格を取らなくても、興味のある分野の研修を受けたり、その分野を経験できる職場を探したりするところから始めても構いません。
資格はゴールではなく、これからの働き方を選ぶためのひとつの手段です。
「今の職場でこの先どうなるんだろう?」と感じたら、給料や勤務時間だけでなく、「どんな経験を積める職場なのか」にも目を向けてみてください。
ただ、「給料を上げたい」が一番の目的なら、資格取得だけでなく、給与交渉や職場を変える方法もあります。
どの方法が自分に合っているか迷ったら、今の状況から給料アップの方法を考えてみるのもいいかもしれません。
資格・認定制度の公式サイト
資格・認定制度の取得条件や申請方法、研修内容などは変更される場合があります。
気になる資格が見つかったら、最新情報を各団体・学会の公式サイトで確認してみましょう。
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日本歯周病学会|認定歯科衛生士
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日本口腔インプラント学会|インプラント専門歯科衛生士
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日本小児歯科学会|認定歯科衛生士
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日本歯科衛生士会|認定歯科衛生士
※在宅療養指導・口腔機能管理、摂食嚥下リハビリテーション、医科歯科連携・口腔機能管理はこちら
※この記事では、主に学会や団体が設ける資格・認定制度を紹介しています。制度の名称や取得条件、研修内容等は変更される場合があります。取得を検討する際は、各認定団体・学会の最新情報をご確認ください。